LINEキャンペーンとTwitterキャンペーンの違いとは

LINEキャンペーンとTwitterキャンペーンとどちらを実施するか、検討しているという声をよく聞くのですが、キャンペーンをLINEで実施するのとTwitterで実施するのには大きな違いがあります。

どちらを利用しても、サンプリング、インスタントウィン、マストバイ、ポイント付与、チャットボットなど多くのことが同じようにできます。

ただ、これは機能が同じだというだけで、この機能をLINEで使う場合とTwitterで利用した場合では、達成される目的は大きく異なります。

 

LINE・Twitterそれぞれの特徴

まず前提知識として、以下の点が挙げられます。

①ユーザー数
②アカウントのユニーク性
③拡散性

①ユーザー数

LINEのユーザー数は8900万人(20216月時点)と発表されています。
一方で、Twitterは最新の発表では4500万アカウント(201710月)とされています。

②アカウントのユニーク性

LINEは、アカウントが電話番号1つにつき1つしか登録できないため、ひとり1つのアカウントになっていることが前提となります。
Twitterは、電話番号を登録はしますが、1つの電話番号でもいくつもアカウントを登録できるため、ひとり1つのアカウントとは限りません。

③拡散性

LINEにはVOOM(以前はタイムラインと呼ばれていました)という機能があり、拡散性を狙った機能にはなっていますが、まだまだ認知度が低く、普段からこの機能を使っているというユーザーはあまり多くないと思われます。
一方で、Twitterは当然、RT(リツイート)を中心に情報が拡散するメディアですので、面白い情報が出た場合には、瞬時のうちに拡散されます。
Twitterの情報拡散は多くの人がその威力をご存知の通りです。

 

それぞれの特徴から見えてくる傾向

これら3つのことから、以下のことが言えます。

①LINEは日本人ほぼ全員が使っているが、Twitterは約1/3程度
②Twitterのプロフィール情報は部分的だが、LINEは実態に近い
③LINEは拡散しないが、Twitterは拡散する

①LINEは日本人ほぼ全員が使っているが、Twitterは約1/3程度

LINEは8900万アカウントで、それがほぼユニークだとすると赤ちゃんやご老人を抜いたほぼすべての日本にいる人々、および海外在住の日本人がLINEを使っていることになります。
Twitterは4500万アカウントですが、一人が複数のアカウントを持つことができるので、実際には3000万人程度と推測されます。
ですので、より多くの人とつながることが目的であれば、LINEを使うのが好ましいと考えられます。

ただし、繋がりやすさはLINE、Twitterでそれぞれ異なります。Twitterは拡散性があるゆえに情報が拡散されやすく、繋がりやすいですが、LINEは拡散手段が限られているので、スタンプなどの驚異的な効果のある企画はありますが、それ以外でつながるのはかなり難しいという面はあります。
ただ、LINEではつながることができれば、またブロックされなければ、ポテンシャルとしては、ほぼ日本人全員と言っても過言ではないレベルの多くの人々とつながることができます。

②Twitterのプロフィール情報は部分的だが、LINEは実態に近い

Twitterは複数アカウントを持って運用することがユーザーにとっても常識になっている部分があり、趣味や立場(仕事、ママ友、ご近所、学生時代など)毎にアカウントを使い分けるということはよくあります。
その場合、Twitterはアカウントごとにプロフィールが分かれてしまっていて、そのユーザーのある一面については書いてあっても、他のことはまったく書かれていません。

LINEはひとりでひとつのアカウントしか持てませんので、分割してプロフィールを出すことはできず、実態に近いアカウントになる傾向が高そうです。
つまり、「プロフィールについての正確性が求められるときには、LINEを利用するのが好ましい」ということになります。
プロフィールに基づいて施策を打つ場合も、Twitterでは同じ人が複数アカウント登録されている可能性もあり、データの信頼性に疑義が生じていしまいますが、LINEは信憑性の高いプロフィールデータ、属性データを取ることができそうです。

③LINEは拡散しないが、Twitterは拡散する

先述した通り、LINEもVOOMという機能は備えているもののなかなか利用頻度としてはまだまだ、というイメージがあります。
LINEでキャンペーンを実施した場合は、その時のコミュニケーションは、企業とユーザーの1:1のコミュニケーションになってしまいます。
公式アカウントからトークが飛んできて、参加しておしまいです。他のユーザーに拡がって行く経路を作るのが難しくなってしまいます。

Twitterでキャンペーンを実施すると、自分のタイムラインにRT(リツイート)されたキャンペーンツイートが流れてきて、友達が参加しているかどうかが分かったり、キャンペーンツイートのRT数によって、そのキャンペーンにどれだけ参加者が集まっているのか、話題になっているのか、が分かります。
更に、色んな人がコメントを寄せるので、このキャンペーンを世の中の人達はどう思っているのか、ということまで分かってしまいます。
ですので、「世の中に盛り上げを作りたいと思ったら、Twitterの方が望ましい」と言えるのではないでしょうか。

 

LINEはCRM、Twitterはキャンペーン

これらのことから、LINEはよりCRM的な位置づけ、Twitterはよりキャンペーンの位置づけとして、お互いを連携させて利用していくと相互に補完的な関係として最大の効果を上げられると考えられます。

①TwitterキャンペーンのLINE補完

Twitterだけでは、盛り上がりは作れるが、ユーザープロフィールの獲得や、ユニーク性の確保が難しいという難点があります。
サンプリングを実施しても、複数アカウントを持つユーザーに、複数回サンプリングしてしまっている懸念がつきまといます。
せっかくサンプリングをしているので、なるべく多くの人に試してもらいたいところですが、心ないユーザーが多くのアカウントからサンプル商品を狙うということが起きています。

ここにLINEを利用すると、Twitterで獲得したクーポンコードをLINEアカウントに入力してもらうと、最終的なクーポンが発行されるという仕組みを作ることができます。
LINEも複数アカウントを持っていれば別ですが、そういうユーザーは少ないので、1つのLINEアカウントでは商品を1回しか受け取れないようにすれば、この問題が解消されます。

また、Twitterでのサンプリングでは、プロフィール情報が希薄になりがちなので、どんなユーザーに、よりサンプル商品を使ってもらいたいか、というのは把握しづらいですが、LINEと連携させることで、(時間はかかりますが、)プロフィールごとのコミュニケーションを取ることも(将来的に)可能になります。

②LINEキャンペーンのTwitter補完

今度はLINEキャンペーンを考えてみます。
やはりLINEキャンペーンの1番のペインは、拡散性に乏しいところです。どんなに良いキャンペーンをしても、企業アカウントとユーザーの間で閉じたコミュニケーションになってしまうので、友達が参加しているのか、どのくらいの人が参加しているのか、そのキャンペーンについて人々はなんと言っているのか、こういうことがまったく分かりません。

そこで、LINEでスタートさせたキャンペーンをTwitterに飛び火させて、情報を拡散できるようにします。
例えば、Twitterに投稿することをゲーム化して、投稿されたら仮想ポイントを付与する、などということができます。

これは一部の企業で既に取り組みが始まっています。
明確にTwitterアカウントと連携させることもできますし、Oauth認証は利用せずに、その場だけでアカウントを連携させることも可能です。

 

最後に

このように、Twitterでこんなことができれば、ということがLINEを併用すると解決され、LINEでこんなことができれば、ということがTwitterを併用すると解決される、という利用のされ方が増えています。
各SNSの特徴をうまく使って、ユーザー一人ひとりとの丁寧なコミュニケーションが可能になって来ています。
複数のSNSをうまく連携させて、ユーザーとの楽しいコミュニケーションを作っていく事例は今後も増えて行きそうです。